東京都・都議選2017にて激的な
議席数を勝ち取った都民ファーストの会。
代表であった小池百合子知事は
”二元代表制”に配慮する形で
代表を辞任しました。
えーと、二元代表制って?と
今更人様に聞けないので自分で
メリットやデメリット、地方自治と
どのように関わっているのか調べました。
二元代表制とは何?
学校で習ったような気もするんですがね
おっさんになると忘れてしまうようです(*ノノ)
法律や予算などを審議・決議する権利を持つのが
議員であり、これを立法権といいます。
一方で決まったそれらを執行することを
行政権といいます。
二元代表制というのは立法権をもつ議員と
行政権を持つ行政の長をそれぞれ
選挙で選ぶ制度のことなんですね。
国政で考えると、選挙で国会議員を選出しますが
過半数を取得した与党の中から首相が選ばれます。
つまり立法権と行政権がまとまっているのですが
こちらは”議院内閣制”と呼ばれ
対照的な概念となっています。
ちなみに日本の地方自治体は
一律で二元代表制をとっています。
欧米では議院内閣制が多いようです。
今回の話題に当てはめると
都議選で都民ファーストの会が
議席の半数を獲得しました。
しかし都民ファーストの会の代表と
東京都知事が同一人物であるため
二元代表制に反するのでは?
ということから小池都知事は代表を
辞任することにしたわけです。
二元代表制のメリット
二元代表制のメリットはそのまま
立法権と行政権が独立していることです。
例えば、首長が強引な路線を取ろうとしても
議会で議員により否決されれば
その案が通らないようにしたりと
行政を監視することができます。
国会と比べると条例を決めたり
議決する程度なので
「議員は文句ばっかり言っている」
と見えるかもしれません。
でも法令や予算を決める国会と比較して
地方自治における議員の役割は
首長のストッパーであることが期待されているので
どちらかというと文句を言うのが仕事です。
また、住民が直接選挙で首長を
選ぶことができるのもメリットになります。
例えば執筆時点の総理大臣は
自民党の安倍晋三さんですが
これは我々が選んだわけではなく
我々が選んだ議員たちから選ばれています。
一方で都道府県の首長は直接
選挙によって住民が選んでおり
首長は民意によって選ばれているのです。
二元代表制のデメリットは?
メリットとデメリットは裏返しなので
アレ?と思われたらごめんなさい。
一番のデメリットは行政と議会が対立した場合
意見がそこで止まってしまうので
行政がストップする可能性があります。
過去には自分達が出した案を与党が呑んだのに
その後も反対を続けたアホな党もあるように
何でもかんでも全否定されることも
普通に起こります。
民意によって選ばれた首長の公約が
民意によって選ばれた議会に否決される
一瞬意味がわからないかもしれませんが
ごく最近も名古屋や大阪でありました(笑)
これは二元代表制のデメリットですよね。
一方で議会に期待される行政への
監視という役割が果たされない可能性もあります。
行政が決めたことに対してオール可決・賛成
この恐れがあるのが現在の東京です。
※執筆時点
議会の過半数を獲得した
都民ファーストの会の議員、
代表は辞任してもトップが小池都知事というのは
暗黙の了解となっているわけで。
小池都知事の案がそのまま流れるように
オール可決なんて可能性が高い。
こういったデメリットも存在します。
地方自治と二元代表制
今の日本だとデメリットが多くない?
と疑問に思う二元代表制。
実は憲法によってそれしか出来ないのです。
日本国憲法 第93条
地方公共団体には、法律の定めるところにより、
その議事機関として議会を設置する。
地方公共団体の長、その議会の議員及び
法律の定めるその他の吏員は、
その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。
参考:http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxselect.cgi?IDX_OPT=1&H_NAME=%8c%9b%96%40&H_NAME_YOMI=%82%a0&H_NO_GENGO=H&H_NO_YEAR=&H_NO_TYPE=2&H_NO_NO=&H_FILE_NAME=S21KE000&H_RYAKU=1&H_CTG=1&H_YOMI_GUN=1&H_CTG_GUN=1
例えば国外の地方自治体で導入されている
シティー・マネージャー制を
日本ではとることができません。
行政を代行する専門家(マネージャー)を
議会によって選出する制度。
首長が素人でも行政を行う専門家を
選んで運営を任せることが出来ます。
ちなみに首長は別にいます。
何が問題かというと日本人が弱い
もしくはすぐに影響されやすい
”劇場型”の政治家が出てきた時に
簡単に首長になってしまいます。
それによって行政の執行や運営に
問題が出てしまう可能性があるわけです。
とはいえ完璧な方法があるわけではなく
1つ融通を利かせると2つぐらい問題が
発覚するのが現状ですよね。
小池都知事の代表辞任は一応
二元代表制に考慮した形ではありますが
ほとんど無意味になったと思って
間違いは無いんじゃないかなーと。
お読みいただき、ありがとうございました。